訪問介護の現場、介護事業所の経営などを経て、2020年には認知症介護などに苦しむ家族の心をケアする「クローバーの会」という会社を立ち上げました。
皆さまもご承知のように、介護の現場では「介護保険制度」に基づいて、利用者さんに必要なサービスを提供しているわけですが、この介護保険制度は3
年に一度法改正があり、昨年までできたことが、今年からはできないということがよくあります。
法改正のたびに、現場のヘルパーさんやケアマネは、「ごめんなさいね、今度、介護保険が改正になって、このサービスはできなくなるんです」と、利用者さんに説明しなければなりません。
「今までやってくれたのになんで?」と、なかなか理解して頂けず、結局はヘルパーさんやケアマネが、ボランティアでせざるを得ないことも日常茶飯事です。
介護保険の中でケアをすることが、確かに原則ではありますが、現実問題として介護保険制度で対応できないことを、どうすればいいのか――?
現代は独居の高齢者の方が増えており、昔のような隣近所のお付き合いもなくなってきています。孤独死も増えてきました。
家族がいても疎遠であったり、いろいろな確執があったりと、高齢者の方々もそれぞれに事情を抱えておられ、支える人が周囲にいない状況が多くなっています。
介護保険制度でできないことは年々増える一方で、行政に相談しても対応しきれず、他に誰もいない場合は、心あるヘルパーさんやケアマネさんのボランティアに頼り切っているのが現状だと言えます。
その一方で、誰かのお役に立ちたいと思われている方も、たくさんおられます。私が活動している兵庫県西宮市の鳴尾東地区では、市の助成金を受けて有償で、介護保険でできない家事や病院の付き添い、ゴミ捨て、話し相手等々のボランティアをする制度があり、高校生から高齢者まで、約100名ほどの方々が登録されています。
そのほかにも、高齢者の方々の憩いの場になっている喫茶店が地域にあり、地元の大学生との交流や、包括支援センターの職員の方に来ていただいて、介護相談の場になったりと、地域全体で助け合いながら、高齢者を見守っていこうという動きが出ています。
現在の日本は、超高齢化社会に突入しています。
大川隆法総裁が説かれている「生涯現役人生」をモットーに、まだまだお元気な方は、地域のために働いて社会貢献をしていただく。
そして、介護保険でどうしてもまかなえない部分については、支援が必要な方々と、誰かのお役に立ちたいと思っている方々の橋渡しとなり、高齢者を家族や地域のみんなで見守ってくことが大切ではないかと思います。
私は、あるご利用者さんが
「人の世話ばかりなって、本当に情けない。生きている価値がない」
と言われた言葉が、今でも忘れられません。
寝たきりであっても、その方の人生で得られた知識を社会に役立てて頂くことができると思います 。
そんな社会のシステムができないかと思っています。
まずは政治家となって、西宮市でそのモデルシステムを作っていきたい。
そして、それが日本全国に広がればと思っています。
(文:小田和代 合同会社クローバーの会代表)
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※『アー・ユー・ハッピー?』12月号(10/30発売)に、小田和代さんのインタビュー記事「ベテラン介護福祉士・ケアマネジャーに聞く 認知症介護の5
つの心得」が掲載されています!
◇『アー・ユー・ハッピー?』12月号
https://www.irhpress.co.jp/are_you_happy/
